« ラストを削るということPart1 | トップページ | ラストを削るということPart2 »

研修生たちPart1

ハンドによる吊り込み(研修生)
P1010211  今年、5人の研修生が入ってきました。研修生は日中は工場で決められた仕事をアルバイトとしてこなします。そして仕事が終了した後、工場の材料や様々な機械・工具を使って靴づくりを勉強しています。学校ではないので、決められたカリキュラムが有るわけでもなく、本人の覚えたいことも、やる気も様々なので習熟度もまちまちになってきます。
 当社が、お取り引き先の御子息を預かって靴づくりの「いろは」を学ぶということで行っていた研修スタイルを本格的に研修制度として改めたのは、10年前の事になります。バブル経済が崩壊し、今までの企業感や職業感もあてにならなくなってきた頃でした。日本的経営の根幹であった組織優先型から個性も活かせる仕組みへの転換が迫られていたのもしれません。それまで100%地元採用だった当社に、ある日、茨城県出身の若者が就職を希望してやってきました。大学の工学部で超伝導関連の物理学を専攻してきたという彼は、「科学の限界を感じた」と生意気な事を宣(のたま)い、将来は靴づくりの職人になりたいと言うのです。「それでは暫くここで基本的な勉強して、志が変わらなければ靴の本場のイタリアでもイギリスでも行ってさらなる研鑽を積めばいい」と当時の社長から真っ当なアドバイスを頂き、当社「本格的研修生1号」が誕生しました。彼の探究心は旺盛でベテランの職人を捕まえては教えを乞うのですが、職人の決まり文句は「いちいち教えてられっかー!覚えたかったら目で盗め!」。なかなか簡単には教えてもらえなかったのです。しかし、彼は怯むことなく強烈に粘り、最後には「ちょっとだけな」となるのでした。後世に自分の習得した業を伝えたいという、人間の善なる遺伝子情報はどんな頑固な職人にも宿ると、今私は考えています。
 3年で卒業をと計画を立てていた彼の研修は順調そのものでした。その間、プライベート活動も順調だった様で、見事美人の現地彼女をゲットし、またたくまにその彼女のお腹が膨れてきたのでした。そして彼は見事卒業は諦めて当地での定住を決断したのでした。本格的研修生1号だった彼は今、中堅社員として会社の重要な戦力になっています。

 ここまでのストーリー、ある人は「全て想定内の出来事」という・・・

 その後に続いた、岐阜県出身の男子はパターンを習得中であり、遠く長崎県からやってきた女の子も今ではCADオペレーターとして、二人とも今では正式社員に昇格。当社にとっては大事な大事な戦力となっています。そしてその女の子が「私ってOLですか?」と聞いてきたので、「屋根裏とはいえ、ちゃんとしたCADの置いてあるオフィスなんだから立派なOLだべぇー」と答えると、妙に納得していました。きっと両親や友達には「山形の地でOLしてがんばっています」と報告しているのではないかと想像しています。
 さて、今年一挙に入ってきた5人の研修生。みんなそれぞれの「自分探し」を継続中ですが、カリスマ職人志望やカリスマ・デザイナー志望と個性あふれる人たちで、当初社内では、今まで大切にしてきた人の和(ムラ社会ともいう)を乱す勢力を構成するのでは?と研修生グループを危険視する声もありました。山形のノンビリした空気がそうさせるのか(ここの人はみんな面倒見が良いですから)、半年あまり経過したところで、一人の脱落者も出さず順調に会社の和に溶け込みはじめています。
 「みんな〜、夢は持ち続けろよー」
モチベーションは高いです。
このコーナーも続く

|

« ラストを削るということPart1 | トップページ | ラストを削るということPart2 »

社長のつれづれ独り言」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54943/4773354

この記事へのトラックバック一覧です: 研修生たちPart1:

« ラストを削るということPart1 | トップページ | ラストを削るということPart2 »