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宮城興業の隠された歴史 第十五話

 明良は工場前の土地8,250平方㍍を革靴150足で買った。ここに日本建材工業の製材工場を建てたのである。原木を山からきりだして、この工場で製材した。経営は思ったほどかんばしくなかった。

 ところが山から切り出してくる原木に白石がついてくるのが明良の目にとまった。珪石(ケイセキ)である。地質学者に問い合わせたところ、この付近一帯には石英粗面岩(流紋岩)」や長石もあるという。昔この地では焼き物を作り米沢の殿様に献上していたこともあるという。知人にタイルを製造している人がおりこの珪石を使えば原色のりっぱなタイルが作れるという。石のイの字も知らなかった明良であったが、こんどはタイルの製造をはじめることになった。

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山林を下見にいった際の写真

前列左から2番目が明

 

 

 技術者を呼んで試作をしたり、山形工業試験場に分析を頼んだり、サンプルを作ってみたりした。実にすばらしい出来栄えであった。さっそく東京の高島屋に行き、インドのバイヤーにみせたところ「これはすばらしい。出来たら契約をしてもいい」と折り紙を付けてくれた。明良は、これはいけると心を強くした。

 しかしタイルを製造するには当時一千五百万円もの資金が必要であった。商工省(現・経済産業省)が貿易として必要と認めたときは国が融資するという情報を得た明良は、設計書や必要書類を持って直接商工省に乗り込んでいった。約束も取り付けないで商工省に乗り込み、いきなり大臣に会わせろといっても無理な話である。まして戦後まもない時代で多忙を極める大臣が、片田舎の名の知れない人に会うはずがない。明良は根性とねばりと毎日きまった時間に日参した。

 二週間もすぎたころ、ようやく面会がゆるされた。明良は机の上に図面と石と土と製品をひろげた。大臣は物も言わずに「貿易資金として一千五百万円を融資する」という書類に印を押したのである。明良は声をあげて泣きたいほど喜んだ。今の価値にすると50億円ほどの大金であった。

To be continuued.

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